12. 次世代の語学スクール・オンラインスクール

新しい時代に向けて語学スクールが課せられたもう一つの課題は、オンライン語学スクールへの取り組みである。この課題は流れによっては英会話スクールの存在そのものにかかわる問題であり、また情報、不動産、決済などの仕組みが講師から生徒に至る流通システム全体に大きく影響を与える問題でもある。

したがって、現在の構造不況を改革するだけでなく、オンライン英会話スクールが投げかけてくる問題点を先取りして、解決策の中に取り込んでいかなければならない。オンライン英会話スクールをすでに開校している企業は多いが、採算ベースに乗せた企業はほとんどない。英会話スクールがオンライン英会話スクールに取り組む時、ローコストの仕組みを作れるかどうかが、成功するかどうかのカギになる。

最後に「業界を絞らない」「言語コース数を絞る」「価格を下げる」の方向性にオンラインスクールの要素をプラスした事業コンセプトを描いて、本当の提案としたい。

Atlasマンツーマン英会話の事業コンセプト

1 「業界を絞らない」 大手英会話スクールとフィリピン人&Skypeスクールを合わせたような業態で、幅広い言語コースを提供。
2 「言語コース数を絞る」 徹底して10カ国に絞る。法人向けサービスも充実。
3 「価格を下げる」 講師を直接採用、大量に無料体験レッスン枠を設けて、低マージン、高回転率の教室オペレーションを行う。
4 教室はオペレーション効率を第一とする。在庫はもちろん倉庫は持たない。
5 オンライン語学スクールを導入し、教室を補強できるオンラインコンテンツも掲載する。レッスン予約サイトを作る。
6 質の高い言語別のポータルサイトを開発し、大衆文化や旅行など情報を充実させる。

最後の提案はごく簡単にまとめてみた。企業規模、現状の業態、スクール数、スクール面積、取り扱っている言語などによって、提案にはたくさんのオプションができるだろう。要は、できるだけシンプルに、そして思い切ってやることだと思う。

また、構造改革の成果をあげるには、異業種との提携や買収・合併を考えなければならないだろう。あるいは、システムやアウトソーシングをさらに加速しなければならないだろう。さらに、日本では高齢化、グローバル化が本格的に進むので、語学スクールの社会的役割についても認識を新たにしていく必要があるだろう。そんなことを考えながらAtlasマンツーマン英会話のような会員制語学スクールが少し姿を変えて日本企業の手で生まれてくることを願っている。


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