TOEIC先進国である韓国の英語力強化方法に学ぶ

TOEIC先進国である韓国の英語力強化方法に学ぶ

人口は日本の半分ほどだが、TOEICの年間受験者数は日本より上。そんな英語教育先進国の韓国のトレンドはスピーキング力重視の戦略だ。

年間のTOEIC受験者数が200万人を超える韓国では、特に大学生とビジネスマンにとってTOEICは絶対条件になっている。韓国の約1600社が、採用や昇進の際に、TOEICのスコアを条件に入れているからだ。

韓国のTOEICを運営するYBMのアンケート結果によると、韓国の大学生が考える就職時に必須の最低スコアは800点。そのうち約30%の大学生は900点以上が必要と答えている。

しかし、最近の韓国のTOEICテストよりもスピーキングのスコアを重視する企業が増えているのだ。こうした企業に入社を希望する大学生は、TOEIC SWテストを受け、スピーキングのスコアを企業に提出するという。

その筆頭企業といえるのが、サムスンだ。サムスンは韓国企業としてはじめて、社員にTOEIC受験をさせた。しかし最近では、従来のTOEICではなくインターネットを使用したOPIcテストの成績を新卒応募者に提出させる基準を明らかにした。

サムスングループ会長、イ・ゴンヒ会社が描いたグローバル化計画だが、韓国企業の中でもいち早く世界各地に社員を送り込んで、その国の文化や価値観を学ばせる地域専門家精度は、その代表的な計画だ。

そのイ・ゴンヒ会長のビジョンが各系列企業に具体的に英語教育の取り組みとしてサポートし合っている点は注目に値する。例えば、サムスン重工業では、独自の英語テキストを制作し、社員が使う専門用語やフレーズを簡単に学べるように工夫している。

さらに、サムスンSDによる運営されているのが、教育機関のマルチキャンパスだ。同機関では、朝7時から授業が始まる早朝クラスの他、夕方、週末クラスがある。ここでも、ビジネス英語重視のスタンスは変わらない。

単純なビジネス英語を求めているのではなく、サムスンマンには、現場で各種取引や協定を交渉できる英会話力を求められているという。

サムスンに続けと言わんばかりに、ヒュンダイやSK、LGグループもスピーキングテストのスコア提出を大学生に要求し、今や韓国企業にとって、スピーキング力が高いことは入社の前提条件といってもいい。

韓国企業が海外展開を始めたのは、日本企業よりも数十年遅れた1980年代後半だが、求める英語力の水準が高いのは、小さい国内市場を超えて、海外に市場を求めるしかない国策が影響しているからだ。その影響が韓国の英語教育に火をつけ、日本より速いペースでの英語力アップにつながっている。

従来のTOEICスコアを超えて、ビジネスを主導的に動かすスピーキング力という考え方は、日本も近い将来、同じ道をたどる可能性は高い。

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