ブロードバンドの普及により、語学レッスンのサービスの仕組みが大きく変わったのがフィリピン人と無料ソフトSkypeの登場だろう。2012年の「矢野経済研究所」の語学ビジネス部門のデータによれば、
「語学ビジネスにおけるe-learning 市場も、2010 年度は参入事業者の急増等により前年度比16.7%増の35 億円と大幅に拡大している。近年、語学コンテンツを提供する事業者や、インターネット電話サービス「skype」を利用して安価でライブレッスンを提供する事業者が急増している。そして、スマートフォンや携帯型デジタル音楽プレーヤー、タブレットパソコンに対応したアプリも増加している。更に、東日本大震災の影響に伴い、ネイティブ講師の帰国や計画停電で教室運営に支障が生じたこと等から、レッスン提供・受講場所の制約を受けないオンラインレッスン強化を検討する語学教室事業者も出現している。」という。
この流れは教室型の英会話スクールのみ持つ企業にとって大きな脅威であり、いかなる業態もこれを無視することはできないだろう。大手英会話スクールは早いうちからEC事業に本格的に乗り出し、ことごとくフィリピン人&Skypeシステムでオンラインスクール大手のレアジョブなどに惨敗している。その後、1000をゆうに超えるオンライン英会話スクールのホームページが開設されたが、その90%が閉鎖している。
そのような中で、会員制語学スクールはオンラインスクール事業にどう取り組み、どのように変化していくのだろうか。会員制語学スクールは創業して20年ほどになるが、教室型対面マンツーマンレッスンのあり方をとことん追求した業態であった。一方、オンラインスクール事業の流れは教室型とは対極の方向に向かっているようにも見える。そのような対極的な流れに会員制語学スクールがどう関わっていくのか考え、その将来性を探っていきたいと思う。